続・続 「残しておきたい京ことば」
まだありました。
いまの若い人が聞いたことはあるけど使わない、または全く知らない京ことば達が。
❶こそばい
くすぐったいことをこう言います。こちょばい、こしょばいの変化形もまんべんなく使われています。
❷はすかい
「斜向かい(はすむかい)」を一字縮めただけですが比較的よく使われます。
「あの店どこら辺やった?」
「ほれ、あの薬局のはすかいにあるやんか。」
❸じじむさい
野暮ったい、年寄りじみた様を指します。
「なんえ、そのカッコ。じじむさ〜。」
こんなん言われたら着替えなしゃあないのです笑
❹しんきくさい
じれったさを表すときに出てきます。
飲食店で何にしようか迷ってる時なんかに「へ?まだ決まらへんの?しんきくさ〜。」とお連れさんにつつかれたりせんように。
❺せつろしい
「せわしない」の同義語。
「そんなヤイヤイ言わんとき。せつろしいわ!」
❻何が悲しいて◯◯
「何が悲しいてそんな事せんならんの。」
その行為が無価値だと感じた時、京都人はこんな言い回しをするのです。
タイムマシーンがあるなら私はこれの言い出しっぺに会いたいと思うくらい、表現力に富んだフレーズだと思っています。
❼アホらしもない
単独で使う事もあれば❻と併せて言うことも。
「何が悲しいてそんな会合に出なあかんね。アホらしもない。」
破壊力が少し増す感じがしませんか笑
❽一銭もいらん
上記と同じで、呆れ返った時にこれが反射的にクチをつくのが生粋の京都人かもしれません。
「アホらし。何が悲しいて、そんな高いカネ出さなあかんね! 一銭もいらんわ!」
もう全部乗せは無敵です。
❾アホが足らいで
もう救いようのないアホな事をやらかした人に対して冷ややかに、つぶやくように言います。
「あいつ、まだ懲りんとそんな事してんのかいな。アホが足らいで。」
面と向かって言うことは無く、そして大声で言うこともない、おそらく京都人でしか操れないであろうフレーズです。
今回は❸以降マイナスの感情表現ばかりになりましたが、こうして並べてみるとやはり直接的ではなく、そしてどこかウェットな感じのものが多いんだなぁと気づかされます。
(こうなった要因はある程度わかっているのですがまたの機会に。)
まだ言葉のストックは有ります。
(あと3回はいけそうです。)
続編を楽しみにしておいて下さい。
掛見